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2019.07.31

債務を抱える状態で会社分割したら、債権者から訴えられるか|判例紹介 Vol.13

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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 判例によれば… 
債権者への弁済に支障が出る場合は危ない

〇 会社分割自体は、譲渡対象でない債務の債権者の承認を得ずにできる
▲ 弁済が難しくなる場合は取り消しが認められることも

 

ポイント|基本は事業譲渡の場合と似ている

  • 会社分割を無効にされることはないが、他の手段で訴えられる可能性がある
    譲渡対象にならない債務の債権者(残存債権者)は債権者保護手続きの対象外になるため、「異議申し立てできる」と伝える必要もなく、会社分割無効の訴えを起こすこともできない
    …代わりに、民法の詐害行為取消権(わざと弁済しにくくした行為を取り消させる)、倒産法上の否認権(破産手続き前の行為を無効にして、債権者間で公平に清算しなおす)、会社法22条1項の類推適用(同じ商号を続用する会社に、残った債務の連帯責任を負わせる)、法人格否認の法理の適用(弁済の減額や回避を目的にした新設分割でできた、実質同じ会社である新設会社に債務の履行を求める)を訴えられるかも
  • 対価である分割会社の株の価値や換価性も考慮される
    …事業譲渡との違いは対価(現金か、株か)
    …分割会社(分割元の会社)が未上場だった場合、現金化しにくいこともあり、現金以上に債権者への弁済が難しくなると判断されやすい
    弁済を難しくする詐害行為とされやすい

判例詐害行為取消を訴えらえたケース

判決

  • ほとんどの資産がなくなり、分割会社に会社としての実態がなくなった
  • 分割会社には収益を生まない資産と負債が残され、債権者への弁済にかかる時間が著しく長くなった
  • 対価として取得した新設会社株式は非上場株式であり、処分は容易でも流動性・換価性が低い

→ 詐害性を認め、価格賠償を認めた

理由

単に会社分割によって財産が減少したかどうかという観点からだけでなく、財産の共同担保としての価値が実質的に毀損して、残存債権者への弁済がより困難となったと認められたため。

参考文献
阿南剛・後藤高志・辻川昌徳(2015)『実務分析 M&A判例ハンドブック』商事法務

 

いろいろ応用できる会社分割

前回に引き続き、会社分割の事例を取り上げました。

M&Aの手法としての会社分割には、事業譲渡のように部分的な切り離しが可能でありながら、事業譲渡のように契約書のまき直しをする必要がないというメリットがあります。
事業譲渡との違いとして、対価が現金ではなく株になるともご説明しましたが、売却する部門をいったん分社化し、分社化された会社の株を売却すれば、最終的に現金で対価を得ることも可能になります。

理解するのには少し時間がかかりますが、やり方を工夫すれば他の手法のメリットをうまく取り入れることができる手法です。

 

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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