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第2回ベンチャーM&Aサミット 第1部 | M&A BANK

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2018.07.06

第2回ベンチャーM&Aサミット 第1部

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「第2回ベンチャーM&Aサミット ~買い手・売り手から見たM&A~ 」
当日の様子の一部をテキストにてお届けします。
登壇者プロフィールはこちら、イベント情報はこちらからご覧いただけます。

 

島袋
みなさんこんばんは。
今回主催させていただいております、アイデアリンクの島袋と申します。
今回は2回目の開催になります。どうぞよろしくお願いします。

この会では普段喋れないことを喋りたいと思っております。
そのためにはアルコールが必要だな、ということで、まずは乾杯だけさせてください。
ではみなさん、乾杯!

島袋
では改めて、第1部を始めさせていただきます。

私は昨年度12月末に、シェアリングテクノロジー社という真ん中にいらっしゃる篠昌義さんがいらっしゃる会社にサイトを売却させていただきました。それまでにIPOを目指しました時期もありましたが、結局M&Aをしまして、それでいろいろと救われた部分がありました。
そのとき、もしかしたら他にも、IPOを目指したけれど結果的にできない人、どうしたらいいのか悩んでいる方がけっこういらっしゃるかもしれないなと思ったんですね。

それで僕は、最近M&A BANKという動画メディアを始めました。
なぜこれを始めたかと言いますと、M&Aで検索すると「事業承継」とか固い単語ばかり出てきて、「難しいな、よくわかんないな」っていう印象だったんですね。それで、もっととっつきやすいメディアを作って、ベンチャー界隈にM&Aを根付かせたいという思いで運営をしております。

ちなみに僕は今5つくらい事業をやっていますが、基本的に作った物は上場企業、もしくは、ファンドさんに売却することを前提としてやっています。

では、こんな感じで自己紹介を進めていきたいと思います。金さんお願いします。


こんにちは。株式会社とうがらしのキムと申します。島袋さんとは、以前経営されていた会社の時からのお付き合いで、アイデアリンクとなった後も顧問をやらせていただいております。
島袋さんは去年の夏頃にグロービスに通われたみたいで、「“選択と集中”をしないと会社が大きくならない」と学んだらしく、事業を譲渡したいとの相談をいただきました。
私自身は株式会社とうがらしという会社で、ベンチャー企業向けのコンサルティングと、ここ2年半ぐらいはM&Aを――ほとんどスモールのM&Aですが――、合計8件プロデュースさせていただきました。(アイデアリンクのM&Aもそのひとつです。)
実は今はM&Aはやっておらず、IRTVという会社の社長をやっていて、そこをIPOさせたいと思っています。

大村
弁護士の大村と申します。フォーサイト総合法律事務所という弁護士が13名、司法書士が1名所属する法律事務所の代表を務めていまして、IPOやM&Aを専門領域としております。
IPOは直近6年くらいで30社ほどのクライアント企業が上場したほか、(東証)1部変更したクライアントも15社ほどあります。M&Aは月1件ペースで新規案件に取り組んでおり、バイサイドが多いですが、セルサイドの案件も扱っております。
今日はまったくシナリオがない中で、どこをどう解説すればよいのかわからないですけど、そこは大目に見ていただけたらと思います。よろしくお願いします。


シェアリングテクノロジーのCFOの篠昌義と申します。アイデアリンクさんからフランチャイズの窓口と、金融メディアを買収させていただいて、そこからずっと付き合いが続いております。
今回、急に出てくれと依頼があり、特に台本とか質問項目とかも一切渡されず、来てから「みんな1万円払ってるから、1万円の情報を頼むよ」と言われました。(笑)
なんとか1万円分の情報を出したいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

シェアリングテクノロジー自体は2017年の8月に上場した会社です。上場した後、M&Aをまだクロージングを迎えてないものも含めて8件やっていまして、1カ月1件ペースでやっています。
(買収した)フランチャイズの窓口についてはM&Aしたあとも運営していたメンバーの方にかなり手伝ってもらっていて、アフターフォローもしっかりしている会社だと思っています。

島袋
そこは、ちょっと別途請求させてください。(笑)


(笑)そういったところで引き続きお世話になるということもあるので、今回M&Aの話をできるだけさせていただきたいと思っています。みなさまよろしくお願い致します。

吉高
こんにちは、吉高と申します。
ここにいらっしゃる方々はそれぞれ毎日自分で事業をして戦っている方々だと思うのですけれど、やはり顔つきが違いますよね。僕は今グロービスで講師をしていまして、MBAの卵たちは優秀なんですけれど、皆さんの顔とは全然違うんです。やはり、日々事業で勝負している人たちの顔はこういう顔なんだなと思いました。
私がM&Aに関わり始めたのは、ファーストリテイリングのグループCFOをやって以来です。ただ、ファーストリテイリングという会社は今はM&A路線から完全に外れておりまして、私がいた頃と違って今はやっていません。
特にM&Aを頻繁にやったのは、あまりみなさんご存知ないかもしれませんが、むしろトステムとかイナックスという会社と申し上げた方が分かりやすいと思いますが、リクシルグループにいたときです。今海外の売り上げ比率が40パーセントぐらいになっています。自慢をする訳ではないですが、そのM&Aを海外でやらせていただいたというのは大きい経験でして、その中にも失敗や成功はありましたが、そういうことも含めて、何か皆さんの参考になるお話ができればよいなと思っております。
みなさんのぎらぎらした顔つきに負けない様に最後まで頑張ります。よろしくお願いします。

冨岡
はじめまして。冨岡大悟と申します。今日このイベントを主催していますアイデアリンクのCFOをしております。
私自身は公認会計士で、元々はM&A監査法人でDDという買収会社を調査する仕事から始めまして、その後、コンサルティングM&Aアドバイザーという仕事をして、実はあまり言ってないのですが、自分で事業を作って、海外に売ったこともあります。それで、帰国して、アイデアリンクという事業会社の中で、事業を買ったり売ったりする仕事をしています。
おそらく、僕よりも多い立場でM&Aに関わった人はあまりいないのではないかと思いますので、いろんな観点からお話できたらと思っています。今日はよろしくお願いします。

島袋
ありがとうございました。
第1部では、役割的には篠さんと吉高さんが買い手経験者、それ以外の我々は解説という立ち位置になります。
来場の皆様ももしご質問があれば、途中でも構いませんのでどんどん手を挙げていただきたいなと思っております。

ではひとつ目の質問、「デューデリで注意すべきポイントとは?」からいきましょう。

デューデリ、またはDDをご存知の方、挙手いただけますか?……半分くらいですね。
僕もM&Aに携わって初めて知ったんですが、買う時にその会社が大丈夫なのかを買い手が調査するんですね。基本的はビジネスデューデリ、ファイナンスのデューデリと法務的なデューデリがあります。事業を買いたくても、そこでひっかかって駄目になるということもあります。

大村先生はこれまで法務的なデューデリを沢山されてきたと思うのですが、過去、だめになったというケースとその理由を教えていただけますか?

大村
私は弁護士ですので、デューデリすると言っても法務に限った話になります。
まず買収のスキームが、大きく分けて、株式を買うか事業を買うか、すなわち、事業譲渡なのか株式譲渡なのか、それによって、法務の論点が全然変わってきます
会社を丸ごと買うとなると偶発債権や簿外債務があるかどうか、事業を譲渡するとなると譲渡資産がどうなっているかで変わってきます。

全てまんべんなく見ようとするとそれなりのコストがかかりますし、我々も範囲が広がることで見落としがあってはいけませんので、初めのご依頼が来た段階で、何を重点的に見るかを必ず協議して進めています
対象会社がどういう事業をやっているかによってスコープの当て方は変わりますが、最近特に問題になるところと言うと、労務管理がちゃんとできているかですね。バイサイドは上場会社が多いですが、未上場の会社を買収する際に残業代の清算がなされていないことがあったりします。買収金額が1億5000万なのに残業代の積算が1億円くらいだったりすると、それはかなりのリスクになりますから、そういうところを見ます。

島袋
(セルサイドが)訴訟を起こされているケースもありますが、その場合はどういう感じになりますか?

大村
結局、その裁判で負ける可能性と、損害賠償請求されている場合はその金額によって、買収の条件が変わってくると思います。例えば、100万円ぐらいの請求で負ける可能性も低ければあまり関係なく買収するでしょうし、最終利益が1億円ぐらいの会社が1億のディールで、損害賠償請求額が1億円となるとこれは止めた方が良いという話にもなったりもします。実際に訴訟を起こされている場合、訴訟の内容に関係する書面をデューデリの対象として入れることは往々にしてあります。

島袋
ありがとうございます。ご来場の方からご質問があるようですね、どうぞ。

(来場者)
2年くらい前のウェルクの時の問題の時に「法務DD不足じゃないか」という話もあった気がするのですが、メディアを売却する際のリスクをふまえると、メディアを作る時にどのくらい気をつけておくべきか、また、昨今はどのくらい厳しい目で見られるのかということをざっくりお伺いできればと思います。

大村
最近の状況で言いますと、当事務所の顧問先でもキュレーションメディアを買収された会社があったのですが、我々としましては、著作権侵害の問題があるのか、医療系のサイトであれば、今で言う薬機法とか、医療法の関係で問題がないかをけっこう厳格に見る方向になっていると思います。
実際にそこを見なかったことによって後々著作権侵害があって、請求されるケースが何件もありますので、我々もそういうのを法務DDに入れた方がいいよとアドバイスは必ずしています。ですが、コスト面とかいろいろな兼ね合いで、なかなかそこまではやれない、それ以外の部分を見てほしいと言われることもあります。
それに我々も、どのページをどこまで見るかが難しい。表現の問題や、景品表示法上の問題をどこまでどうチェックするか、1000ページくらいのウェブサイトなら1000ページ全部見ないといけないのか、消費者が関わる部分だけ見るのかなど。そのあたりはIPOにも共通する問題だと思います。
初めの段階でどこまで見るのかを決めたうえで、法令違反のチェックを依頼されれば、やることになると思います。
ウェルク問題以降厳格な方向にいっていると思いますので、特に上場会社の場合はそこまでやっているかどうかも、善管注意義務の内容になってくるのかなという印象をもっています。

(来場者)
ありがとうございます。

島袋
篠さんのご意見も、かぶらないところで何かあればお願いします。


そうですね、かぶらないところでは、当社でもサイトの法務DDは本当にけっこう(しっかり)やっていますね。例えば、お金を作るという簡単に言うと金融のアフィリエイトサイトみたいなもの買収しているのですけれど、例えば仮想通貨について、言い切り表現や「コインチェックはすばらしい」などと書いているところを「客観性がない」としてチェックしました。客観性がなかった場合は、客観性のある、担保のある表現に換えるなど、けっこう細かいことをやっています。
それらは全部、M&Aの最終契約した後クロージングまでに、追加でどれくらい直す費用がかかるかを見込んで、その分、買収の対価から減らしてくれという交渉はいろいろしました。
上場企業が買う場合は、そういうところがけっこう大変な印象はあります。逆に上場していない会社だったら、目をつぶってくれるのではないかなと思いますが。

(来場者)
「著作権侵害がないこと」など、表現の保証に関する文言を契約内容に入れたりはしますか?


当然入れるのですが、無意味だと思います。入れたところで、実際請求がかけられるかというと、実質泣き寝入りすることが実態としては多いのではないかなと思います。

(来場者)
ありがとうございます。


これまでアフィリエイトサイトの譲渡案件をいくつか扱わせていただきましたが、まさに傾向として、上場企業はいわゆる薬機法に関わりうるアフィリエイトサイトの買収を避ける傾向にあるなと感じています。
売却案件相談を受けたら直接経営者にポンと情報を送るんですが、「その領域はやりません」と、一瞬で返されるケースが最近多いです。それに、まさに直近で扱ったいたものでダイエット系、女性向けのメディアで本当に小さいサイトを扱いましたが、上場企業の社長は全部NGで、最終的に買ったのは未上場企業でした。
上場企業にとっては、(そういった領域のサイトの買収は)けっこうチャレンジというか、リスクというか、厳密にページを全部確認するのもコストがかかるので、アフィリエイト系メディアや薬機法に類するサイトは買わない傾向にありますね。

島袋
篠さんがフランチャイズの窓口のDD(デューデリ)をされたときは、どのような感じでしたか?


けっこうしっかりしているなと(思いました)。その案件が当社のM&Aの対象の1件目だったのでけっこう慎重にいきましたが、基本的に法務でひっかかるものは何もなかったです。
フランチャイズの窓口については、法務デューデリと財務デューデリをやりました。財務デューデリは社内中心で行ったんですが、事業計画がひきやすいと言いますか、売り上げやKPIの計画がひきやすかったので、大丈夫そうだなと。
法務DDは弁護士の先生にやってもらったんですが、ウェブサイトの中では比較的、上場企業の開示法の中で、スムーズに進んだ印象があります。

島袋
ありがとうございます。シェアテクノロジーさんはライザップに並ぶ(M&Aに積極的な)会社じゃないですか。
この中にもシェアテクノロジーさんに売り提案を持っていこうという方がいらっしゃると思うので、シェアテクノロジーさんとして、(買収する際に)一番気にしているポイントを教えてほしいです。


ウェブサイトであれば、当社はシナジーがあります。当社は基本的にウェブ事業を主力としています。
どういうことをやっているかといいますと、グーグルで検索上位に来るようにSEOやリスティングなどを頑張りまして、生活の困りごと、例えば鍵をなくしたときに『鍵をなくした、東京都港区』と検索いただくと当社のホームページが出てきて、当社にアクセスしていただくと、東京都港区で鍵を開けられる業者を紹介するサービスをやっています。その紹介のマッチング手数料をいただくというビジネスモデルで、ウェブ集客力でかなり強みがある会社です。
そこにシナジーがあるということで、ウェブサイトのメディアの買収は過去8件のうち4件、5件はそういう会社を買収しています。

また、M&Aをするにあたって一番のポイントは、年間利益ですね。当社が買った後の年間利益の3倍以内の買収価格で買えるか?という目線で見ています。なので、当社が買ったら皆さん損するのではないかなと。(笑)
一般的な市場では、ウェブサイト運営系だったら5倍くらいで売れると思うので、当社が買って叩かれるのであれば、売らない方がいいかなとも思いますが、スピーディーに決断できる会社なので、例えばそこをそのサイトを売って他のサイトに注力したい、という状況でスピード感が欲しい経営者の方がいらっしゃったら、是非、当社に売っていただいたらなと思います。

冨岡
ちょっと補足です。売った後にもめるのは、売り手として、経営者として嫌だと思うんですが、その点でシェアリングテクノロジーさんは実際に相対した経験から言って、ものすごく紳士的かつ協力的な会社でした。これは事実です。

名前は出せないですけれど、上場会社の中にはM&Aのあとに、「これは言っていたのと違うんじゃないか」と、賠償とまでは言わないですが、後からやいやい言ってくる会社があったりもします。
そういう点から言いますと、売った買ったの仲でも、一緒に良い物を作っていこうと感じられる会社だったと思います。いろんな分野をやってきましたけど、なかなかこういう会社はないです。だから、おすすめです。


冨岡さんとは、結構細かい契約書書面では、最後もめましたね。(笑)そういう細かいところでの契約書など、上場企業で(しっかりしないと)しかたがないところをつめる時は時間がかかりますけれど、それ以外はスピード感もって決めますので。

冨岡
そうですね。

島袋
では、次は吉高さんに伺いたいのですが、時価総額1兆円企業のM&A担当をされていたご経験から、デューデリをする際に気をつけておいた方がよいことについてお話しいただければと思います。

吉高
大企業だけではないと思うのですけれど、一言でいいますと、何を見せているかではなくて、何を見せていないかというところだと思いますね。その会社が、何を見せていないのか、その理由はなんなのか、そこをどうやって、見える化するかというところだと思います。
逆に、例えばここにいらっしゃる方が将来会社を売りたいというお考えを持っていらっしゃれば、果たして全部見せられるのか、絶対見せられないものは何なのか、見せられないものについて、本当にちゃんと合理的に説明できて納得していただけるのかという所ではあると思います。ちょっと一般論ですけれども。

島袋
実際にあったケースで言える範囲で結構ですけれど、どういうケースがありましたか?

吉高
出してない物をみつけて、我々が断念したというのは、潜在的な訴訟、もっと具体的にいうとEUの特金換金の罰金のチャージが将来発生する可能性が高い、ですとか、過去にいろいろな係争案件の潜在的な保障、いわゆる偶発債権があるのではないか、というものですね。
売り手側との間で、あるない、あるないと果てしない抗争をして、ないでしょうと納得できれば前に進めますが、かなりの蓋然性であれば、法律事務所などを総動員します。それで我々が納得できなければ、絶対に買わない
重要なのは、出されたものではなくて、出していないもの。それは何なのかということです。

吉高
また、僕の経験からすると、賢い大企業の経営者ほど小さい会社を探しています。すごく有名な本で、みなさん読んだことがおありかと思いますが、『イノベーションのジレンマ』という本があります。ぜひ、お読みになったらいいと思います。
これは破壊的イノベーションについて書いている本なのですけれども、ここにいらっしゃる方の会社って、クレイトン・クリステンセンが言うところの破壊的イノベーションを起こせる会社じゃないと恐らく買収されないだろうということです。大企業の経営者が賢ければ。つまり、似た者同士、自分の昔の姿、それから、似たような小さい規模の会社は、賢い経営者は絶対に興味をもたない。小さくて、(大企業から見て比較的)安いうちに破壊的イノベーションができる会社を自分の傘下に収めてしまおうという事を絶対に考えているはずなんです。
ですから、その質問に答えるとしましたら、賢い経営者ほど、シードのうちにベンチャーを買いに来ると思うということです。

島袋
さらに伺いたいのですが、そのような情報は、大企業はどのようにして収集されているんでしょうか?

吉高
大企業のトップはまだまだ年寄りが多いですけれど、新規事業開発部などの最前線には、言ってみればみなさんみたいな人がいっぱいいるのです。お友達にも新規事業部にいらっしゃる方がいっぱいいると思いますが、そこがアンテナになっています。そこで、いくらでも情報は入ってきます。


持ち込み案件も多いかと思いますが、そういう時はあまり成功することはないですか?

吉高
持ち込みで来る場合もありますが、必ず裏をとりますね。そのネットワークを使って。


持ち込みの方が、質が悪いイメージですか?

吉高
そう一般化はできないと思いますね。やはり投資銀行が持ち込んで成功体験があればその投資銀行も評判があがりますから。いい加減な案件は持ってこないでしょう。

島袋
先ほど控室で少し伺ったお話で、「スタートアップほど発信した方が良い」と吉高先生がおっしゃっていた件について、お話しいただけますか?

吉高
80歳のおばあさんがティム・クックと抱き合っている写真があったでしょう。あれは要するに、アップルがおばあさんを見つけたわけですよね。
発信してもしなくてもすごい人はどこかで捕捉されるのですが、どうせすごいのであれば、どんどん発信した方がいいと思うんですよ。

冨岡
日本の80歳のおばあさんがアプリを作ってアップルストアにあげたらそれが広まって、ティムクックがおばあさんに会いにいったという話ですね。

吉高
ですから繰り返して言いますけれども、賢い経営者ほど、鵜の目鷹の目で探していますので、発信しないよりは発信した方が良いと思います。

島袋
ありがとうございます。発信といえば、大村先生のフェイスブックは1記事にいいね1000ぐらいつきますよね。

大村
そんなにつかないです。ついたこともありますけれど。

島袋
大村先生が発信をされている理由というのは、どういったものがあるんでしょうか?

大村
全然、本題とは違うんですが、クライアントが新しいことをやったとか、つい最近だとうちの顧問先で毛髪の再生医療をやっている会社が研究するというので、少しニュースに取り上げられていたので、そういう会社がフェイスブックで発信をしているのを取り上げるということを、友達限定でやっていますね。それでもだいたい200いいねがつくという感じでしょうか。宣伝みたいな感じですね。

島袋
フェイスブックで発信していくというのは重要ですよね、いろいろと。
僕も実はこのイベント、個別でメールさせていただいている方もいらっしゃいますけれど、フェイスブックで広告予算5万円くらいしか使っていないんです。これだけ集まっていただいたのは、発信を大村先生にシェアしていただいた結果だと思います。
それを考えると、やはりスタートアップほど発信してくといいのかなと思いますね。

島袋
それでは次の話題に移りましょうか。みなさん、PMIってご存知でしょうか?
僕も先ほどと同じくM&Aして初めて知ったんですが、これは、売った後、事業なり会社が他社に移った後に、うまく軌道に乗せられるかということですね。
バイサイドとして、買った後の統合で注意すべきことというのは、どういうものがありますか?篠さんお願いします。


うちで買った100件のうち、従業員つきのM&Aは4件しかなくて、しかもけっこう最近買った案件なんです。
基本的にPMIで一番難しいと感じているところは、従業員のマインドは買った先の親会社と違うので、上手く親会社の風土を取り込むことが一番難しいと思っています。今まさにやっている最中で、今のところ順調とは思いますが、成功体験とてはまだないです。

4月頭にクロージングしたものも、まだ2カ月しか経っていませんが、今は苦労しつつも順調にやれている印象です。フランチャイズの窓口など、従業員なしのメディアのみの買収案件は、事業計画どおりに進捗するかというところ(が目下の重要課題で)、それも一応PMIだとすると、その点は、いかに買った先が売ってくれた所といかに仲良くできるかどうかかなと思っています。アイデアリンクさん今でも質問したら答えてくれるので、かなりそういう所は助かっているなと。

島袋
逆に質問しても答えない会社とかはあるのでしょうか?


普通は、売ってしまってお金が入った後は、誠実でない会社があってもおかしくはないのかなと思っていますが、当社が買収したところは今のところ、誠実に対応いただけています。でも基本的にはやはり、オーナーはいなくなってしまうわけですから。

島袋
そうですね。


そんなに思い入れがないと思うんですよね。メディアを売って、他のところに注力したいから売っている人は、どうして昔のサイトのことを今更聞かれるのかと思ってもおかしくないと思います。でも、うちが買っているサイトは今のところかなり仲良くやっています。

島袋
従業員ごと買ったところに、社長というトップがいなくなるわけですよね?従業員付きで買収する場合はどういうお話をされているんでしょうか?


社長の配置をどのようにするかが肝になると思っています。
配置にはいろいろなパターンがあります。社長副社長的ポジションの人に社長になっていただくを残すパターン、社長が売却後は余生を楽しみたくて、パターンと、そもそも社長を当社から派遣するパターン。パターンはその3つくらいと考えて、DDの時にどんな組織体制にしたら一番うまくいくかということを考えます。

島袋
その案件ごとに対応は違うということでしょうか?


はい。当社の従業員つきのM&A4件も見事にバラバラです。社長が残る会社もありますし、社長がいなくなって、そこにいる会社の専務みたいな人を社長にするパターンもありますし、こちらから社長を派遣する会社もあります。見事に3種類とも今あります。

島袋
すごいですね。


状況に応じてしていますね。ただ、それが上手くいくかどうかはまだわかりません。

島袋
わかりました。大村先生からも少しお願いします。

大村
買収した後、社長をずっとやってもらう会社と、キーマンクローズをつけて一定期間はやってもらうけど、その後は社長がいなくなってしまう会社とあります。
うちのクライアントも、買収した会社の社長にずっとやってもらうというポリシーのところもあれば、基本的には半年とか一年、または社長の希望もあるでしょうから、もう社長に任せるという会社もあるでしょうね。
僕が問いを出すのもどうなのでしょうが、正直どういう判断でされているのでしょうか?


どういう判断かっていうと本当に難しいですけれど、適任がいるかどうかです。あと社長のやる気が一番です。社長って、相当覚悟を決めてやらないとだめだと思いますから、今いる人にそれだけのやる気があるかどうかは、見ています。
例えば、この間買った会社で専務の方を社長に上げた所があるのですが、その方はやはりM&Aのことは当然知らなくて、急に聞きましたと。社長、売ったオーナーさんから、急に「シェアリングテクノロジーになったから」と言われた時は当然度肝を抜かれた訳です。ですが、まさか社長が辞めると思っていなかったところで、「君に社長をやってほしい」「あなたお願いね」と言われて、「よし、やってやる。」と、専務の方がやる気になったんです。そういう人には、是非とも社長をやってほしい。
逆にキーマンの人があまり社長には向いていない場合は、こちらから出さずにはおられません。ただ、そういう所でも将来的には社長をやってほしいという動きはあります。先ほどの話にもありましたが、(買収元から人を)出さないようにするというポリシーは理解できて、やはり基本的に子会社に関わると窮屈な感じになってしまうので、「アドバイスはあげるので、独立してやってほしい」という前提で動いています。基本的には継いでやってほしいというスタンスではあります。


僕がやっているIRTVという会社では、ベクトル社が80パーセント以上を持つ株主です。実は後半で登壇するラフテックの伊藤さんも、同じくベクトルグループに売却されていて、売却後も引き続き社長をされています。
最近のベクトル社のM&Aでは、株式の全部を買い取るのではなく、数千万~数億を社長にキャッシュインするんですが、一部株式は社長に持たせ続けて、そのまま経営を続けてもらう。そして会社の価値をバリューアップしてもらって、IPOを目指すというというのが最近の傾向です
僕もベクトルグループのイチ子会社としてIRTVの社長をやっているんですが、かなり自由度が高いです。ガチガチに管理されたりしない。ただ、トップの社長と営業利益だけは握る。手法に関しては、ほとんど何も言わないというようなスタンスですね。

それに近いケースはライザップですね。瀬戸社長とは、ライザップ事業をスタートする前から広告主と営業担当としてお付き合いさせていただいています。
年間で何社もM&Aをやっている会社ですが、その後の経営手法に関してはほとんど口出ししないとのことです。数字だけ握る。契約書を作るのが仕事。「自分が給与をいくら取るか」「営業利益はいくらにするか」ということだけを握って“契約”を握るのが、瀬戸社長の仕事らしいです(笑)。クオーターごとや通期の業績結果や利益で握って、給料も勝手に決めてもらうというようなスタンスです。結果として、その方がうまくいくなという感じはあります。

島袋
しかも売る側として、こちらも一応選べるわけですよね?
経営者仲間の中でも相談するんですが、「あそこは少し(管理が)きついな」という印象があったら、売るまではいかないですよね。いかにベンチャー界隈の中で、例えば「シェアテクさんに持っていった方がいい」というブランディングを作るかが、すごく大事なんじゃないでしょうか。
各社M&A戦略はそれぞれだと思いますけれど、売りたい会社からいかに案件が集まるようにするかというブランディングってきっと大事ですよね。


そうですね、ちゃんとリリースを出したりとか。
小さくてもある程度の件数をやっていれば、仲介の人が持って行ったりしますから。
金額非公開のM&Aって、本当に法外に高いか、劇的に安いかのどっちかだと僕は思うんですけれど(、発信はするべきだと思います)。

島袋
ありがとうございます。
では、こちらで第一部をしめて、休憩とさせていただきます。
個別のご質問や名刺交換など、ご希望の方はどうぞ。

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